二話

放射能汚染区域に入ってから何十分経ったのだろうか。
今までうるさかったヴィネアが静かになってしまったことで、機内は緊張しきっていた。そして三人が座っている座席の前にあるモニターがいきなり電源が入り、よくテレビで見かけるある人物が映し出される。
現アメリカ大統領である、フェルデナンド大統領だ。
いつも、テレビでニコニコと優しい笑顔で市民に手を振っている大統領だが、今は違った。
冷酷でとても冷たい表情をしている。
その冷酷な表情をした彼の口がゆっくりと開く。

フ「やぁ、諸君。手短に説明しよう、今回の任務はイタリアのマフィアとスペインのマフィアが放射能汚染区域であるイギリスの地を利用し、麻薬の取引を行うとの情報があった、このイタリアのマフィアはとても手強いから気をつけたまえ、君らがなぜ今回いきなり現地任務を任せれたかというと、君らの一つ上の現地の「掃除者」がこのイタリアのマフィアに全滅されたからだ。君たちには知らせてはいなかったが、つい最近のことだ。そのマフィアは時間を開けずに、二週間後の今日にまた取引を行うらしい。君たちは現地経験がないが、止む負えん。いつもの訓練の通りにしてくれればいい。では、私からは以上だ。

検討を祈る。」

手短に話し、大統領は画面のまえから姿を消す。

ヴ「ねぇねぇ、ボスぅ？難しくてわかんなかったよー？ヴィネアは何をすればいいの？」

座席に座りながらも足をブンブンさせてマスクの向こうから微笑みかけてるヴィネアがジャックスに質問をする。

シ「いつも通りだ、俺たちの周りにいる人間全員殺しゃぁいいってことだ、お掃除だ。簡単だろ？」

ヴ「お掃除〜お掃除〜♫」

シ「まったく、、先が思いやられるな、、」


それからすぐにアナウンスが入る。

「目的地到着、対放射能特殊舞台そろそろ降下だ。今回はパラシュート降下で行く、お前らの装備した防弾式ベストには敵のレーダーに入らないようにステルス機能とっつけてある。安心して飛び降りろ、楽しい旅をな」

嫌味交じりの投下命令がおりる。
三人はパラシュート装備を身に付け、ヘリコプターの横のスライド式のドアを開ける。
風が強く、風の音で何も聞こえなくなる。
シャックスは二人にアイコンタクトをし、シャックスを先頭に三人はヘリコプターから身を投げる。


今日の空の青はいつもよりも汚ならしい青に見えた。